2015年09月04日
も足りない
「うああああああ! ぼ、僕の鎖が!」
「バーカ」
そしてあっという間に大魔女様とのペアアクセは、鎖骨の近くまで縮んでしまった。
「ええっ! こんな事で!?」
「ね? めんどくさいでしょ?」
……完全に前言撤回だ。まさかここまで小うるさいとは……居眠りカンニング常實德習犯の僕は、このレベルで警戒されると、それはもうお手上げ白旗全面降伏なのだ。
「めっちゃ縮んだ……」
「こんなもんまともにやってたら、命がいくつあってわよ」
その通り、完全にその通りだ。これがゲームセンターのワンコイン式ゲームなら、硬貨をいくつ詰めば足りるのだろう。幸先のイイ事に、相方と二回目の同意見を得ることに成功した。
「わかってると思うけど、また誰かに實德金融集團名前を尋ねてごらんなさい」
「今度はその首が、夜空の星に届くくらい勢いよく吹っ飛ぶわよ」
「……」
つまり、キュっときてボーンなわけか。それは困る。実に困る。僕の首は夏の名物、納涼花火じゃない。
それを回避する為に、つまりお互い不用意に鎖を縮めてしまわぬよう、ここで長”分”の疑問を相方に投げかける
「あのー……前から思ってたんすけど」
「何よ」
「その、マジで知らないんす。なんで名前を知られるのがそんなにイヤなのか……」
「……どうやら、本気で言ってるっぽいわね」
決して悪ふざけの類ではない事を知ってもらった僕は、ここへ来てようやく説明を受ける事に成功する。
Posted by めけ
at 12:15
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